近年、テクノロジーの進化は目覚ましく、私たちの想像を超えるような技術が次々と登場しています。中でも特に注目されるのは、人間の「脳波」を使ってデジタル機器を操作する研究です。今回は、サムスンとダラス大学の共同研究から、この画期的な技術が私たちの生活にどのような変化をもたらす可能性を秘めているのかをご紹介します。
脳波によるタブレット操作技術
サムスンとダラス大学電気工学部のRoozbeh Jafari助教授が共同で進めているのは、脳波を活用してタブレットを操作する技術です。この技術が実用化されれば、運動機能に課題を持つ人々が、これまで困難だったタブレット操作を容易に行えるようになります。画面を直接タッチする必要がなくなるため、自力での操作が難しい場合でも、他者の介助なしに機器を使うことが可能になるでしょう。
この研究では、脳波だけでメールを開いたり、友人との連絡を取ったりといった基本的な操作が実現可能になるとされています。具体的には、以下の項目でテストが行われました。
- 連絡先の選択
- プレイリストからの楽曲選曲
- GALAXY note 10.1の電源オン/オフ
これらのテストを通じて、脳波による機器制御の可能性が示されました。
現時点では、脳波による「通話」を直接制御する電話の開発はまだ計画されていないようですが、デバイスの基本的な操作を脳波で行えるようになるだけでも、その影響は計り知れません。
脳波測定技術の幅広い応用
脳波を利用した技術は、他にもさまざまな分野で応用が期待されています。例えば、NeuroSky社は長年にわたり、EEG(Electroencephalography:脳波計)を利用したおもちゃの開発に取り組んでいます。脳波を読み取る技術は、エンターテインメントの世界においても新たな体験を生み出す可能性を秘めています。
この技術は、ゲームの世界にも広がりを見せています。例えば、人気アニメ作品の「SWORD ART ONLINE」で描かれているような、脳と直接接続して仮想世界に入り込むような未来は、まだSFの世界の話ですが、脳波を利用したゲームやインタラクションの可能性は広がっています。
脳波による機器制御技術は、特に運動障害を持つ人々のQOL(Quality of Life:生活の質)を向上させる大きな一歩となるでしょう。タブレット操作にとどまらず、将来的にはより多くのデジタル機器が脳波で制御できるようになるかもしれません。脳波という生体信号を活用した技術が、私たちの生活をどのように豊かにしていくのか、今後の研究の進展が期待されます。