現代社会において、私たちの記憶はどれほどデジタルデータに依存しているでしょうか。スマートフォンやクラウド上に保存された写真、動画、メッセージの数々は、私たちにとってかけがえのない宝物です。もしそれらが突然、跡形もなく消え去ってしまったら、一体どうなるのでしょう。今回ご紹介する短編映画「LOST MEMORIES」は、そんな想像を絶する未来を描き出し、私たちに大切な問いかけを投げかけます。デジタルが当たり前の世界で、あるカップルに降りかかる出来事を通じて、真の「記憶」のあり方を考えさせられる作品です。
映画のテーマと問い
この映画は、ホログラムが飛び交う近未来のパリを舞台に、幸せな時間を過ごすカップルの日常から始まります。しかし、ある衝撃的な出来事が彼らの、そして世界の記憶を奪い去ります。それは、世界中のデジタルデータが磁場嵐によって全て消滅するという未曾有の事態でした。
LOST MEMORIES (French, English Subtitles) from Francois Ferracci on Vimeo.
映画の中で語られる言葉は、私たちの心に深く響きます。
データとして記録されたものだけが「記憶」なのでしょうか。この作品は、情報に溢れる現代社会を生きる私たちに、「今、この瞬間」を五感で感じ、大切な人との時間を肌で共有することの尊さを教えてくれます。
以前ご紹介した「携帯を”忘れた”わたし」も、現代社会におけるテクノロジーとの向き合い方を問いかけるショートフィルムです。