英語を学ぶ中で、一見すると同じように見える単語や表現に出会うことがあります。しかし、それぞれの言葉が持つ微妙なニュアンスの違いを理解することは、より正確で自然なコミュニケーションのためにとても大切です。今回は、混同しやすい「できる」を表す表現と、感情を表す形容詞の使い分けに焦点を当て、さらに日常で役立つ様々な表現をご紹介します。
「できる」を表す表現のニュアンス Canとbe able to
何かを「できる」と表現する時、英語には主に「can / could」と「be able to」という二つの言い方があります。どちらも能力や可能性を示すように見えますが、実はそれぞれに異なるニュアンスが込められています。
「can / could」は、一般的な能力や可能性、あるいは許可を表す場合によく使われます。例えば、「I can speak English.(私は英語を話せます。)」のように、生まれ持った能力や習得したスキルについて話す際に用います。
一方、「be able to」は、特定の状況下で可能になることや、困難を乗り越えて「できるようになる」というニュアンスを強く持ちます。未来の予定や、条件が整った上での可能性を尋ねる時などによく使われる表現です。
この違いを具体的な例で見てみましょう。
例文:
Can you come tomorrow?
明日来れますか?
Will you be able to come tomorrow?
明日これそうですか?
最初の「Can you come tomorrow?」は、単純に相手の都合や可能性を尋ねる質問です。対して「Will you be able to come tomorrow?」は、「もしかしたら来られないかもしれない」という状況を考慮しつつ、「それでも来てくれる可能性はありますか?」と、条件付きの可能性を探るようなニュアンスを含んでいます。このように、話者の意図によって使い分けることで、より細やかな感情や状況を伝えることができるのです。
感情を表す形容詞の使い分け -edと-ing
英語には、感情を表す形容詞がたくさんありますが、その中には「bored」と「boring」のように、語尾が「-ed」と「-ing」で終わるペアが多数存在します。これらは形が似ているため混同しがちですが、意味は大きく異なります。
基本的なルールとして、「-ed」で終わる形容詞は、「人が感じる感情」を表します。つまり、「〜を感じている状態」を表現する時に使うのです。例えば「bored」は「退屈している(人が感じる)」、「interested」は「興味を持っている(人が感じる)」という意味になります。
一方、「-ing」で終わる形容詞は、「そのような感情を引き起こす原因となるものや人」を表します。例えば「boring」は「退屈させる(物事が引き起こす)」、「interesting」は「興味深い(物事が引き起こす)」という意味になります。
よく使われるペアをいくつか見てみましょう。
- bored <—> boring(意味:うんざりしている・退屈な)
- interested <—> interesting(意味:興味を持っている・面白い)
- excited <—> exciting(意味:興奮している・刺激的な)
- surprised <—> surprising(意味:驚いている・意外な)
- amazed <—> amazing(意味:驚嘆している・素晴らしい)
- annoyed <—> annoying(意味:イライラしている・迷惑な)
これらの形容詞の使い分けを、例文を通して確認してみましょう。
例文:
I was bored because the TV show was boring.
テレビ番組はつまらなかったから(私)は退屈だった。
I have many interesting history books because I am interested in history.
面白い歴史の本をたくさん持っている。なぜなら私は歴史に興味を持っているからだ。
「TV show was boring」は「テレビ番組が退屈な原因だった」ことを、「I was bored」は「私が退屈という感情を感じていた」ことを示しています。同様に、「interesting history books」は「歴史の本が面白いという性質を持っている」ことを、「I am interested in history」は「私が歴史に興味を持っている状態である」ことを表しています。このように使い分けることで、感情の主体と原因を明確に伝えることができます。
日常で役立つ表現をピックアップ
英語学習は、文法だけでなく、実践的な語彙やフレーズを増やすことでも、格段に楽しくなります。ここでは、日常会話やビジネスシーンでも役立つ表現をいくつかご紹介します。
- get in trouble: 問題を起こす、厄介なことになる
予期せぬ困難や、困った状況に陥ることを指す表現です。
- substitute player: 補欠選手
スポーツなどで、レギュラーではないが試合に出る可能性のある選手を指します。
- benchwarmer: 控えの選手
「ベンチを温める人」という直訳の通り、試合に出る機会が少ない控え選手を指すスラングに近い表現です。
- bloated: 膨らんだ、膨らみすぎた
お腹が張っている状態や、物が水などで膨張した状態を表す形容詞です。
- shochu-based beverage: チューハイ
日本語の「チューハイ」を英語で説明する際の表現です。「焼酎をベースにした飲み物」という意味合いです。
- nasty: 不快な、不味い、ひどい、扱いにくい、意地の悪い
非常に幅広い意味を持つ形容詞で、人や物、味や状況に対して、ネガティブな印象を表す時に使われます。
- drop 〜 at 〜: 〜を〜で降ろす
車などで、人を特定の場所で降ろす際によく使われる動詞句です。
- authentic: 本物の、正真正銘の
偽物ではない、信頼できる、伝統的な、といった品質や起源の確かさを表す形容詞です。
- I’m looking forward to 動詞+ing / I’m looking forward to it.: 〜を楽しみにしています。
未来の出来事を楽しみにしている気持ちを伝える丁寧な表現です。「to」の後は動名詞(-ing形)が来ることがポイントです。もし「楽しみにしている対象」が明確な場合は、「I’m looking forward to it.」とシンプルに表現することもできます。
高校生を3ヶ月でTOEIC 950点にするMargaret先生の授業メモ
これらの表現を覚えておくと、英語でのコミュニケーションがよりスムーズで豊かなものになります。単語やフレーズ一つ一つが持つ背景や文化的なニュアンスにも目を向けると、英語学習はさらに深く、面白いものになるでしょう。
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英語の奥深さを楽しむ
今回ご紹介したように、英語には似ているようで異なるニュアンスを持つ表現や、語尾によって意味が変わる単語が数多く存在します。こうした細かな違いを意識し、適切に使い分けることで、あなたの英語表現は格段に洗練され、伝えたい意図がより正確に相手に届くようになります。
英語の語尾には、今回ご紹介した-edや-ingのように、単語の意味や文法的な役割を示すヒントが隠されていることがあります。こうした細かな部分に注目することは、英語の豊かな表現を理解し、より自然なコミュニケーションを可能にする第一歩となるでしょう。ぜひ、日々の学習の中で、言葉の持つ奥深さを発見する楽しさを味わってください。