カフェで一息つくとき、提供されたカプチーノやカフェラテに、ハートや葉っぱのような美しい模様が描かれているのを見たことはありませんか?思わず写真を撮りたくなってしまうような、あの素敵なアート。「これって、一体何ていう名前なんだろう?」「どうやって作るんだろう?」そんな疑問を抱いた方もいるかもしれませんね。
今回は、そんなカフェタイムを彩るアートの正体と、実は意外と知られていないカフェラテやカプチーノなど、さまざまなコーヒー飲料のちょっとした違いについて、ゆる〜く楽しく解説していきます。これを読めば、いつもの一杯がもっと特別なものに感じられるかもしれませんよ。
美しい模様「ラテアート」って何だろう?
カフェのカウンターから出てくるカップに、ミルクの白い泡で描かれた繊細な模様。これこそが、今回ご紹介する「ラテアート」です。
バリスタと呼ばれるプロの淹れ手さんが、コーヒーとミルクを注ぐテクニックを駆使して、あっという間に描き出す芸術作品なんですね。一口飲むのがもったいなくなるような、そんな特別な一杯を演出してくれます。
どうやって作るの? ラテアートの基本
「ラテアート」と聞くと、とても難しそうに感じるかもしれませんが、その基本は泡立てた牛乳にあります。温めた牛乳を専用の道具で蒸気を使って泡立て、「フォームミルク」と呼ばれるきめ細かな泡を作ります。このフォームミルクをエスプレッソコーヒーに注ぐときに、カップの傾け方や注ぎ口の動かし方で、さまざまな模様を描き出すんです。
具体的にどのように描いているのか、こちらの動画を見てみると、その神業のようなテクニックがよく分かりますよ。
動画を見ると「なるほど、牛乳を泡立てて固定させているんだな」と納得ですね。
ところで、泡立てた牛乳って、体積が増えますよね?「あれ?これって、もしかしてミルクの量が減って、ちょっと損した気分になっちゃう?」なんて、ふと感じる方もいらっしゃるかもしれません。実は、この泡立ったミルクが、美味しさの秘密でもあるんです。
似ているようで違う! 主要なコーヒー飲料の種類
「カフェラテ」「カプチーノ」「エスプレッソ」「マキアート」など、コーヒーの種類ってたくさんあって、どれも似たような名前だし、違いがよく分からない!と感じることはありませんか?確かに、どれもエスプレッソがベースになっているので、少しややこしいかもしれませんね。
それぞれの特徴をざっくりと見ていきましょう。
こちらはhandpressoさんの画像を参考にしていますhandpressoさんから画像を拝借
この図を見ると、それぞれの構成がとても分かりやすいですね。
- エスプレッソ: コーヒーの「原液」とも言える、濃厚で少量の一杯。これをベースに他のコーヒー飲料が作られます。
- カフェラテ: エスプレッソに、温かいミルクをたっぷりと注ぎ、その上に薄くフォームミルク(泡立てたミルク)を乗せたものです。ミルク感が強く、まろやかな味わいが特徴です。
- カプチーノ: エスプレッソに温かいミルクを注ぎ、カフェラテよりも多めのフォームミルクを乗せたものです。泡立ちが豊かで、ふわふわとした口当たりが楽しめます。
- カフェオレ: エスプレッソではなく、ドリップコーヒーに温かいミルクを加えたもので、基本的に泡は使いません。
- マキアート: エスプレッソにごく少量のフォームミルクを「マークする(染みをつける)」ように乗せたもので、エスプレッソの味をしっかり感じたいときに選ばれます。
図を見て改めて気づくのは、カフェオレとカフェラテ以外は、多かれ少なかれ泡立てたミルクが使われていること。「泡立てると体積が増えるから、なんだか損している?」という疑問、もしかしたら、こんなふうに感じたことがある人もいるかもしれませんね。
泡は損? それとも美味しさの一部?
泡立てたミルクが「損」と感じてしまう気持ち、とてもよく分かります。ですが、あのふわふわの泡には、実は大切な役割があるんです。
まず、ミルクの泡は口当たりをとても滑らかにしてくれます。コーヒーの苦味や酸味を和らげ、まろやかな飲み心地を生み出すんです。次に、飲み物の温度を保つ効果もあります。泡の層がフタのような役割を果たし、中のコーヒーが冷めるのをゆっくりにしてくれるんですね。そして、泡があることで、ラテアートという美しい見た目も楽しめます。
こう考えると、泡は単なる「体積を増やすもの」ではなく、コーヒーの風味や温度、そして見た目を豊かにしてくれる、とても重要な存在だと分かります。もしかしたら、「損」どころか「得」をしている気分に変わるかもしれませんね。
毎日のコーヒータイムをもっと楽しく
ラテアートの美しさや、それぞれのコーヒーが持つ個性的な味わいを知ることで、いつものコーヒータイムがもっと豊かな時間になるはずです。
バリスタの技術やラテアートについて、もっと深く知りたい方は、専門の書籍を読んでみるのも面白いかもしれません。