間違った日本語を使ってしまい、恥ずかしい思いをしたことはありませんか?
慣用句は音で覚える事が多いので、間違って使う方が多いようです。
間違った漢字を当てはめたり、似たような慣用句と混同してしまったり・・・。
そんな間違えやすい漢字について言語学者の滝浦真人氏に学びました。
みなさんは自信をもって日本語を使えていますか?
【誤】濡れ手で泡
【正】濡れ手で粟
意味:苦労をせずに多くの利益を得ること
【誤】喝を入れる
【正】活を入れる
意味:刺激を与えて元気づける(気を失った人を蘇生させる術を「活」という)
【誤】苦汁の決断
【正】苦渋の決断
意味:悩み苦しんだ決断(「苦渋を味わう」「苦汁をなめる」)
【誤】悪どい手口
【正】あくどい手口
意味:たちの悪いさまなどを意味する(「あく」は灰汁で悪ではない「あくが強い」の意)
【誤】絶対絶命
【正】絶体絶命
意味:どうやっても逃げられない状態
【誤】現状回復
【正】原状回復
意味:事態を元の状態に戻すこと
【誤】異和感
【正】違和感
意味:しっくりしない感じ(発音は同じでも異和という言葉は存在しない)
【誤】快心の作
【正】会心の作
意味:心から満足いく作品
【誤】後仕末
【正】後始末
意味:物事の済んだ後を片付けること(「始末」は物事の初めから終わりまで)
【誤】疎縁
【正】疎遠
意味:音信を交わしたり顔を合わせたりする機会が少なくなること
【誤】原価償却
【正】減価償却
意味:購入費用の認識と計算の方法のひとつ(価値が減少するから原価ではなく減価)
【誤】何なく合格
【正】難なく合格
意味:わけなく、簡単にという意味
【誤】興味深々
【正】興味津々
意味:興味が尽きないさま(津はあふれるという意味)
【誤】最好調
【正】最高潮
意味:感情や状態が最も高まること
【誤】高見の見物
【正】高みの見物
意味:成り行きを傍観すること(高みは深みと同じ使い方)
【誤】平行感覚
【正】平衡感覚
意味:傾いた状態にある時にこれを察知する働き(平行は交わらない二本の直線)
【誤】一同に会する
【正】一堂に会する
意味:複数の人が同じ場所に集まること
【誤】一身同体
【正】一心同体
意味:複数の人間の気持ちや行動がぴたりと合うこと
【誤】思考錯誤
【正】試行錯誤
意味:試み失敗しながら解決策を探ること
【誤】一率値上げ
【正】一律値上げ
意味:すべてが同じで例外がない値上げ(一律とは同じ調子で変化のないこと)
【誤】合いの手をうつ
【正】合いの手を入れる
意味:盛り上げるためにかけ声などを加えること(「相槌を打つ」と混同されやすい)
【誤】あかるみになる
【正】あかるみに出る
意味:知られていなかった事などが世間に広まること(「明らかになる」と混同されやすい)
【誤】いやが応にも
【正】いやが上にも
意味:なおその上に。ますますの意(「否でも応でも」と混同されやすい)
【誤】うんちくを垂れる
【正】うんちくを傾ける
意味:自分の持っている知識・技能のすべてを出しつくすの意(「説教を垂れる」と混同されやすい)
【誤】汚名挽回
【正】汚名返上
意味:新たな成果を挙げて、悪い評判をしりぞけること(「名誉挽回」と混同されやすい)
【誤】思いもつかない
【正】思いもよらない
意味:思っていた結果と違うさま(「考えもつかない」と混同されやすい)
【誤】口車を合わせる
【正】口車に乗る
意味:言葉巧みに言われてだまされること(「口裏を合わせる」と混同されやすい)
【誤】横車を入れる
【正】横車を押す
意味:道理に合わないことを無理に押し通す(「横槍を入れる」と混同されやすい)
【誤】的を得る
【正】的を射る
意味:うまく要点をつかむこと(「当を得る」と混同されやすい)
【誤】食指をそそる
【正】食指が動く
意味:物を欲しがったり興味や関心をもつこと(「食欲をそそる」と混同されやすい)
【誤】二の舞いを踏む
【正】二の舞いを演ずる
意味:同じ失敗を繰り返すこと (「二の足を踏む」と混同されやすい)
【誤】馬脚を出す
【正】馬脚を露わす
意味:隠していたことが明らかになる(「尻尾を出す」「襤褸を出す」と混同されやすい)
どうでしたか?
過去に一度は使ったことのある間違った日本語がありませんでしたか?
子どもたちに恥じぬ言葉遣いをしたいものですね(^^)
この情報をお借りしたお礼に、滝浦真人氏の書籍のリンクを貼っておきます。