アメリカでは女の子の約80%が10歳になるまでにダイエットを経験しています。
神経学者のSandra Aamodt氏は、脳が体重をコントロールする仕組みをTEDで講義しました。
世の中にダイエットを成功させている女性がいないのはなぜでしょう?
彼女も無駄に30年間ダイエットを続けてきた女性の一人です。
今まで様々なダイエットを始めたり止めたりしてきました。
しかし何をやっても、落とした体重は元に戻ってしまったそうです。
多くの女性がこの気持ちを理解できるのではないでしょうか?
彼女は神経科学者として、なぜダイエットがそんなに難しいのか疑問を抱きました。
一般的に、体重は「食べた量」と「カロリー消費量」で決まります。
しかし、多くの方が気づいていない重要なことが別にあります。
それは空腹感とカロリーの消費は、無意識のうちに脳でコントロールされているということです。
人間には体重や体温・血圧など、それぞれに正常値(ベストな値)があります。
これを一般的にこれをセットポイントと言います。
さらにその値を維持しようとするホメオスタシス(恒常性)があります。
この正常値はライフスタイルを変えることにより、その範囲内で変えることができます。
彼女曰く、体重のセットポイントには4〜7kgの差があるとのこと。
その範囲からいくら出ようとしても、脳の一部である視床下部が体重を戻すように働く。
体重が減れば、脳の中で「体重を増やせ!」という化学的な信号が沢山送られ、
体重が増えれば、「体重を下げろ!」という化学信号が脳から沢山送られている。
増えても減っても正常値に戻そうとする性質、これがホメオスタシスです。
コロンビア大学のルーディー・ライベル博士の研究報告によると、
体重を10%落とした人は代謝が抑制され、カロリー消費量が250〜400cal減るというのです。
これはかなりの食事量に相当します。(食べ物の200カロリーを参照のこと)
進化論から考えると、体が減量するのに逆らうのには意味があることなのです。
食べ物が不足していた時代の人々は、エネルギーの消費を抑える事に依存していました。
食べ物がある時に体重を増やす事によって、次にきたる飢餓に備えたのです。
人間の歴史において餓死は、過食よりも重大な問題であるのは明らかなことです。
しかし、このことから残念な結果が導き出せます。
セットポイントは上がりうるのですが、滅多なことでは下がらないということです。
7年間体重を抑え続けたとしても、脳はなお元の体重に戻そうとします。
心理学者は食の観点から人を、直感グループと自制グループに分類しました。
興味深いことに食べたい時に食べる直感グループの人は太りにくいことが判明。
自制グループの人々は食の広告や食べ放題などに過剰に反応し、食べ過ぎになりやすい。
ちょっとしたきっかけが食べ過ぎに繋がりやすいのです。
特に子どもたちはダイエットと過食のサイクルに弱い。
いくつかの長年の研究によると10代でダイエットを経験した少女達は、
たとえ標準的な体重から始まっても、5年も経てば太り過ぎになる確率が3倍になります。
ダイエットの後5年経てば、大抵の人はまた元に戻ってしまうんです。
そしてその内の40%以上の人は、元の体重以上になってしまいます。
ダイエットの結果は大抵こうなります。
科学的にも結局のところ、ダイエットは長い目でみると体重を増加させる行為なのです。
どんな医者でも大幅に減少する方法など知りません。
だからこそ今多くの人が、体重を落とすのではなく肥満予防に努めているのです。
現実的に考えてみてください。
ダイエットに成功しているなら、みんなダイエットなんてしないですよね?
そして全員がスリムな体型なはずです。
どうして自分だけがいい結果がでると期待するのでしょう?
ではどうすればいいか?
それは自分のセットポイントを知り、五感を満たしてあげてください。
太らない為に重要なことは、セットポイントを上げない環境にいることです。
この方法で大幅な減量はできませんが、将来太ることはありません。
ちょっと疲れてきたので雑に終了します笑(^_^;)